今回の旅のもう一つの目的、津軽鉄道のストーブ列車を堪能すべく、朝、五所川原駅に赴く。
既にストーブ列車目当ての観光客が駅の改札口周りでストーブを囲んでいる。
ホームに降りると、ポツンと旧客一両と、その先に牽引用の気動車が止まっている。あー、機関車じゃなくて、ディーゼルカーで引っ張るのね…と思いつつ、早速乗車。
列車が発車するとすぐに車内販売が始まる。
普段は飲まないくせに、編集長氏と日本酒とスルメを購入し、早速ストーブであぶってもらう。
ストーブ列車というのはここが醍醐味らしい。
やれ「スルメッ子」「酒っ子」と車内のあちこちで飛ぶように売れる。その度に乗車しているオジさんがせっせとスルメをストーブで焼いてくれる。
時折、車掌さんがストーブに石炭をくべて、火加減を確かめる。観光案内のお姉さんが、色々説明もしてくれ、やや酒も回り、これは大変愉しい。
途中の金木で半分以上の観光客が降りて行く。バスツアーでちょっとストーブ列車を体験、という趣向らしい。
我々は終点、津軽中里まで今暫く写真を撮りつつ、酒をちびりちびり飲みつつ、スルメをかじりつつ、という忙しい時間を過ごす。
スルメをかじりながら列車に揺られ、雪の車窓を眺めていると、こんな休日も悪くないと思う。
列車は30分程で終点、津軽中里駅に到着。
ここでも団体さんは一斉に観光バスに乗って、次の目的地へ去って行った。団体がいなくなると、一時賑わった駅は静まり返る。
ここまで牽引してきた気動車「走れメロス」号の「機回し」が始まった。
小一時間程の停車のあと、再び列車は五所川原に向けて出発する。
今度はストーブから離れた場所に陣取って、再び日本酒とスルメを注文したところで列車は走り出す。このシチュエーション、スルメが止まらない。
戻りの列車はお客さんも3分の1程の入り。
オジさんもスルメを焼く手を休め、一息というところ。
ギシギシきしむ旧客に揺られること30分で再び五所川原に到着。
次のストーブ列車を待つ団体で、ホームは人で溢れていた。今度はストーブ客車は2両、先頭には機関車が取り付いていた。
我々は車内の観光アテンダントのお姉さんおススメのラーメン屋で、五所川原名物「天中華」を酔い覚ましに頂く。ラーメンの上にホタテ天ぷらが入ったもの。そば屋なのにラーメン?など、色々疑問はあったが、これが絶品。
編集長氏と近くのショッピングモールの温泉健康ランドでひと風呂浴びて、青森空港行きの空港バスに乗る。これまた小さなマイクロバス…。
日が沈みかけるころ、青森空港から737-800に乗り込み、再び羽田へと戻る。週末の贅沢な鉄道探訪の旅になった。